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製造業で増え続けている『熱中症による死傷者数』

■はじめに

製造業の現場は、いま静かに“夏の危機”が深刻化しています。

厚生労働省が公表した2024年の職場における熱中症による死傷者数は1,257人と過去最多を更新。そのうち製造業は235人と、全産業の中で最も多い業種となりました。

 

製造業で増え続けている『熱中症による死傷者数』

製造業で増え続けている『熱中症による死傷者数』

1.業種別の死傷者数(2024年)

▼業種別、熱中症による死傷者数(上位5業種)

 順位  業種  死傷者数  構成比
 1  製造業  235人  18.7%
 2  建設業  228人  18.1%
 3  運送業  186人  14.8%
 4  警備業  142人  11.3%
 5  商業  116人    9.2%

製造業は最多であり、全体の約2割を占める。

 

2.月別の発生状況

▼月別、熱中症死傷者数(全産業)

 月  死傷者数  備考
   5月    45人  早期の高温化
   6月  112人  梅雨時の蒸し暑さ
   7月  588人  ピーク(全体の47%)
   8月  431人  高温継続
   9月    81人  残暑
 10月以降     数名  例年通り

7~8月で全体の約8割。製造業も同様の傾向。

 

 

3.製造業で熱中症が多い理由

製造業の現場は、夏場の気温上昇や作業環境そのものが暑さを生むという特徴があります。

 

●屋根・壁の断熱、遮熱性能が低い

一般的な住宅と比べて、屋根・壁の断熱、遮熱性能が低く、夏場の熱侵入が大きい

 

●機械熱、炉の熱が逃げにくい

大型機械、溶接、鋳造、プレスなど、発生源が多く、WBGT(暑さ指数)が外気より高くなるケースが一般的です。

 

●防護具による『熱のこもり』

安全のための防護服、手袋、ヘルメットが汗の蒸発を妨げ、体温調節を難しくするというジレンマがあります。

 

●作業リズムが止めにくい

ライン作業や工程管理の都合で、『休憩を取りづらい』『水分補給のタイミングが限られる』といった構造的制約が存在します。

 

 

4.死亡災害の特徴

▼死亡災害の特徴(厚労省分析)

 特徴  内容
 遅発性  帰宅後に容体が急変するケースが複数
 単独作業  発見が遅れやすい
 高齢者  持病による重篤化リスク
 水分不足  作業中の脱水が蓄積

 

 

5.製造業が取るべき対策

製造業向け、熱中症対策の優先順位

 優先度  対策  内容
 ★★★  WBGTの常時モニタリング  感覚ではなく数値管理へ
 ★★★  休憩、水分補給の仕組み化  アラート、強制休憩、補給ステーション
 ★★☆  工程の再設計  連続作業の分割、時間帯調整
 ★★☆  高齢者への配慮  作業負荷の調整、健康管理
 ★☆☆  空調、スポットクーラー  設備投資の最適化

 

 

6.まとめ

・製造業は熱中症死傷者数が最も多い業種

・7~8月に集中し、工程・設備・防護具など構造的要因も関係する

・対策は「個人任せ」から「仕組み化」へ転換が必要

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